2024/05/09
1セル リチウムイオン電池を搭載するウエアラブル/ヒアラブル機器は、VR/AR(Virtual Reality/Augmented Reality)の普及などにより市場が拡大しています。特に人が直接身に着ける機器に使用されるため、電池の発火などの防止に保護機能の安全対策がますます重要になっています。
NB7120シリーズ は、ハイサイドNch MOSFET駆動タイプでシステム側と電池パック側のグラウンドレベルに差を生じさせないため通信が容易になります。同タイプでは過充電検出精度(-20°C~60°C)および充放電過電流検出精度を業界トップレベルにまで高めたことで、機器の安全性を向上させます。また、内部回路を停止させることにより過放電検出後の消費電流を最小限に抑え、製品販売前の在庫期間などでの電池の残量目減りを最小限に抑えることが可能です。
さらに小型パッケージWLCSP-8-P15を採用し、高精度、低消費、安全性向上、省スペースという特長を活かし、お客様のリチウムイオン電池アプリケーションの競争力向上に貢献します。
特⾧
1. 業界トップレベルの高精度な過充電検出電圧 (OVP)
セル検出電圧範囲 : 4.2 V ~ 4.6 V
-20°C ~ 60°C 温度範囲, 精度: ±12 mV
充電電圧の上昇傾向の中、室外でも精度向上により安全性向上に貢献します。
2. ハイサイドでは、業界トップレベルの高精度な過電流検出機能
・放電過電流 検出範囲:
0.0080 V ~ 0.0300 V, 精度: ±1.5 mV
0.0301 V ~ 0.0600 V, 精度: ±5%
0.0601 V ~ 0.0800 V, 精度: ±3 mV
・充電過電流 検出範囲:
-0.0080 V ~ -0.0325 V, 精度: ±1.5 mV
-0.0326 V ~ -0.0600 V, 精度: ±5%
-0.0601 V ~ -0.0800 V, 精度: ±3 mV
過電流検出の低電圧化、高精度化によってセンス抵抗(RSENS)の低抵抗化が可能となります。基板の発熱及び電池パックのインピーダンスを低減することで、大電流時の発熱を抑えてボードの熱設計を容易にします。
3. 高精度な過放電検出電圧 (UVP)
セル検出電圧範囲: 2.0 V ~ 3.4 V, 精度: ±35 mV
高精度のため電池残量を下限付近まで使用でき、電池の使用時間延長に貢献します。
4. 業界トップレベルの低消費電流
通常動作時: Typ. 5.0 μA
スタンバイ電流: Max. 0.04 μA (過放電検出ラッチタイプ)
動作時低消費電流、低スタンバイ電流により、アプリケーション駆動時間の長時間化が可能です。
5. 高精度0V充電禁止電圧
設定範囲: 1.25 V ~ 2.00 V, 精度: ±50 mV
0V電池(低電圧電池)への充電は内部ショートの可能性があり、安全面から禁止電圧を0.05 Vと細かく設定したいという要望に対応します。
6. 強制スタンバイ機能
過放電状態にすることなく、CTL端子を使用することで強制的にスタンバイ状態にすることが可能です。充電器を接続するまでは大幅に消費電流を抑えることができます。
7. 超小型パッケージ
超薄型のWLCSP-8-P15(1.50×1.08×0.38 mm)のリードレス超小型パッケージを採用。