2025/03/03
XD6138シリーズは電源電圧端子と電圧検出端子(センス端子)を分離した電圧検出器で、センス端子入力電圧は~76Vに対応しています。そのため車載12V/24Vバッテリーの電圧監視の際、従来の低耐圧製品のような分割抵抗が不要となり、直接監視が可能です。ACC電源(アクセサリー電源)がオフの状態でも、時計やカーナビ、ECUのメモリーなどのバックアップ電源として常時電流(暗電流)が流れていますが、分割抵抗が不要になったことで、この暗電流を抑えることが出来ます。加えて、高精度化/省スペース化/信頼性向上にも貢献します。
また、一般的な電圧検出器の場合、検出電圧のみを設定し、解除電圧はヒステリシス幅(検出電圧×5%程度)によって予め決められていますが、本製品は検出電圧と解除電圧をそれぞれ設定することが可能です。ヒステリシス幅を従来よりも広く設定すれば、例えばエンジン始動時のクランキングでバッテリー電圧が大きく上下した場合に出力信号がON/OFFを繰り返す、いわゆるチャタリングによる誤検出を防止することが可能です。
検出論理はHigh/Lowともに用意しており、一般的に多く使われている電圧低下検出だけでなく過電圧検出にも対応します。
遅延時間は外付けコンデンサによる外部調整が可能で、検出/解除遅延時間の比率を選択出来ます。更にマニュアルリセット機能も備えており、Cd/MRB端子をVSSレベルに落とすことで強制リセットが可能です。
動作温度範囲は車載で要求の多い125℃高温動作に対応、また、車載信頼性規格AEC-Q100 Grade1に準拠しています。パッケージは実装やリワークに有利なSOT-25(2.9×2.8×1.3mm)を用意しております。